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Chazen MBA Exchange(交換留学プログラム)~LBS編~

Class of 2024の木下(迪)です。今回の記事は交換留学についてです。詳細は学校のウェブサイトに掲載されていますが、CBSは世界中の約20のビジネススクールと提携しており、応募して選考に通れば1セメスターをCBS以外の学校で過ごすことが出来ます。(CBSの場合、NYが好きな学生が多いため、他校対比交換留学に応募する学生はあまり多くないです。そのため、希望のスクールに行ける可能性は非常に高いです。) 日本では一校、慶應のGraduate School of Businessと提携しており、実際、私の中国人の友人は日吉キャンパスで1セメスターを過ごしていました。

 

勿論交換留学をすると、CBSで取れる授業や課外活動が制約される、NYでの生活が短くなる、渡航や現地での生活費といった追加支出が発生する、といったデメリットはあります。しかし、たった2年間のMBA生活で2つの学校や地域を体験できるのはとても魅力的であり良い経験になるだろうと思い、交換留学することを決断しました。

 

私の場合、2年目の春学期をイギリスのLondon Business School(以下”LBS”)で過ごしました。数ある交換留学候補先からLBSを選んだ理由は主に3つです。1)詳細は後述しますが、欧州のスクールとアメリカのスクールでは大きくカルチャーが異なるため、その違いを体験したかった。2)バックグラウンドがファイナンスのため、欧州スクールの中でもファイナンスが比較的強いスクールに行きたかった。3)欧州の金融の中心地ロンドンで生活してみたかった。

 

以下では、交換留学を通じて気付いたCBSとLBSの違いや交換留学自体の感想について書かせて頂きます。

 

1) スクールカルチャー

CBSとLBSの一番大きな違いはスクールカルチャーだと思います。CBSは全体の約半数がinternational studentsであるのに対し、LBSでは約9割がinternational studentsで構成されています。実際、LBSのとある授業で教授が初めに出身地を尋ねた時、約80人の学生のうちイギリス人はたったの2人だけでした。(尚、アメリカ人も2名のみでした。)また、CBSでは欧州出身の学生は比較的少ないのですが、LBSではイタリア、スイス、フランスなど多くの欧州出身の学生がいたことに加え、CBSではあまり出会わない様な、サウジアラビアやレバノンなど中東出身の学生も多く、真のダイバーシティを感じました。CBSではやはり留学生という存在がマイノリティであることを意識せざるを得ない時もあるのですが、LBSではこの構成故、皆がマイノリティであり、日本人であることがマイノリティである様には感じませんでした。また、英語を母国語としない学生が大半であるため、皆母国語以外の言語で生活することの大変さを理解しており、そのため、コミュニケーションにおいて相手のことを理解しようとする意識が強い様に感じました。授業を受けていても教室にいると誰彼構わず皆話しかけてきますし、学生同士の関係性もとても思い遣りに溢れていました。International studentsにとってはアメリカのスクールよりも居心地の良さを感じることが多いのではないかと思います。また、このダイバーシティな環境で色々な国の人達と話すことができ、視野が広がりました。

 

2) 授業

LBSへの交換留学の場合、各授業に割り当てられている単位数にもよりますが、基本的には最低3授業、最大5授業履修することができます。履修登録は自分の保有ポイントを履修したい授業に割り振るというBidding Systemで行います。交換留学生の場合ポイントを多く割り振るべき人気授業などの知見がなく、学校からもその様な情報提供もないので、事前にLBSの在校生からこの辺りの情報を入手することをお勧めします。尚、LBSの日本人コミュニティもCBS同様独自の授業レビューを行っているので、そちらのファイルも是非入手して下さい。授業自体は、個人的には、LBSの方が事前に読むべきケースの数や週次のアサインメントが全体的に少なく負荷が軽い様に感じました。しかし、私の履修した授業だけかもしれませんが、授業の最後にファイナルプレゼン、レポート、Quiz、試験などが集中しており、複数授業でこれらを一気にこなすのが少々大変でした。

尚、Electiveの数は圧倒的にCBSの方が多く、LBSと比べるとCBSはニッチなエリアや最新のトピックを深く掘り下げる様な授業が多いと思います。しかし、勿論LBSにもビジネススクールで一般的にカバーされる授業は一通り揃っているので、私はCBSで履修できなかったNegotiationやBehavioral Economicsなどを履修しました。LBSで有名な授業の一例としては、”LIFE SHIFT”の著者であるLynda Gratton教授 によるThe Future of Workが挙げられます。私は他授業とのコンフリクトの関係で履修できませんでしたが、人生100年時代に生きるヒントをくれるなどと評判が良く、LBSに行くのであれば履修を検討すると良いと思います。

  

3) キャンパス

LBSはBaker Streetの駅から徒歩10分圏内に、授業が行われるキャンパスであるSussex PlaceとSammy Ofer Centreがあり、アクセスは良好です。Sammy Ofer Centreの方は一部新しい教室もありますが、基本的にLBSの建物はとても古いです。2022年1月に新築されたばかりのCBSのキャンパスに慣れていると、空調の音が煩かったり充電用のUSBポートが無かったりなどと色々な点が目につき、如何にCBSの新キャンパスが恵まれた環境であるかを実感しました。一方で、LBSは所謂Study Roomの数が非常に多いため予約がしやすく、またCBSの様なガラス張りの部屋ではなくプライベートが確保されているので、勉強や就活、授業の合間など、キャンパスでの一人の時間は過ごしやすいです。

 

4) NY vs London

両都市に住んだことがある人は分かると思いますが、同じ大都市でも全く雰囲気が違い、人によって好みが分かれる所です。(私はNYの方が圧倒的に好きですが、)ロンドンの方が街の雰囲気も働き方も落ち着いていて、NYの喧騒に嫌気を感じた人からするととても良い街の様です。実際、NYの金融機関で働いていたCBS生で、よりワークライフバランスを求めてロンドンで就活をしている人などもいました。また、ロンドンは他のヨーロッパ諸国へのアクセスが非常に良く、授業の合間に気軽に旅行を楽しむことができます。(私は2ヶ月半の滞在で7カ国、中でもパリには2回行きました。)ただ、天候は良くないです。特に私が滞在していた1-3月は梅雨の様な天気がずっと続いており、個人的にはややストレスでした。しかし、ロンドンにも特に金融を中心にJob Opportunityは沢山あるので、ロンドンでの就職も視野に入れている人はLBSへの交換留学を上手く活用すると良いと思います。CBSで言うCMC(Career Management Center)もLBSにあり、交換留学生も就活サポートを活用することができます。

 

5) その他

LBS自体が大きな学校ということもあり、CBSが提携している交換留学先のビジネススクールの中でも、LBSは恐らく最も交換留学生の人数の多い学校だと思います。例えばアメリカのスクールであればBooth、Kellogg(この2校からの交換留学生が最も多いです)、Yale、Texas Austin、Haasなどから多くの交換留学生が来ていましたし、フランスやスイスの欧州のスクール、Melbourne Business School、UNSW Business School、HKUSTなどアジア太平洋地域のスクールからも交換留学生が来ており、総勢、MBAだけで(LBSには他にMaster in Financeなどの交換留学生も多数います)70人超の交換留学生がいました。皆交換留学先で新しい友人を作ろうと意気込んでいる人達なので、この交換留学生同士のコミュニティもとても活発です。Pubでの飲み会や旅行などが頻繁に企画されており、交換留学生同士で仲良くなれました。また、交換留学生もLBSのクラブに参加できます。(LBSはCBSと違い、ほとんどのクラブの参加費が無料です。)そのため、LBSの学生と交流できる機会も多くあります。

尚、CBSではランチタイムや夜の時間帯に日々様々なスピーカーイベントが開催されていますが、LBSはその様なイベントはあまり多くない様に感じました。他の学校の学生と話していても感じるのですが、やはりCBSのこの日々のイベントの多さは、群を抜いているのではないでしょうか。

 

総じて、交換留学自体はとても良い経験になりました。他のスクールを経験したからこそ気付くCBSの良さも沢山あり、LBSもとても良かったですが、改めて、自分のCBS愛、NY愛を再確認しました。そしてLBSのダイバーシティ、新しい友人との交流、ロンドンでの滞在経験、様々な国への旅行などを通じて、自分の視野も一段階広がりました。先述の通り交換留学はメリットばかりではありませんが、少しでも興味がある方は是非検討してみて下さい。必要に応じて私もいつでもご相談に乗らせて頂きます!