みなさんこんにちはClass of 2024の龍野です。今回は1月に行ったNOLS Leadership expeditionについてレポートできればと思います。
NOLS Patagonia Expeditionの概要
NOLSという非営利団体との協賛で1月に行われるトリップです。だいたい抽選で15人ほど(自分たちの時は結果?男女半々程度でした)が採択され、チリ側のパタゴニア(服のメーカーではなくエリアです)の山に電波機器の持ち込みなしの状態で10日間ほど山ごもりをします。このトリップはリーダーシップの養成も兼ねており、10日間の中で仲間たちで助け合い、テントや料理などもすべて自分たちで行い、毎日歩き続け、目的地まで頑張って向かいます。パタゴニアは毒蛇とか熊とか危険な生物は全くいないので安心なのですが、その代わり気候がかなり激しく、ある昼は死ぬほど蒸し暑く、ある夜は氷点下近くなったり風が強すぎて点と吹き飛ばされそうになったりする中でサバイブするリーダーシップみたいなものを磨いていきます。事前に学生リーダーみたいな人が別途決められて、その人たちが旅行開始までは地図の読み方講座みたいなのを開いたり、慣れていない人向けに事前のトレーニングプログラムを考えたりします。年にもよるのですが、自分の年は毎日チームに分けられその中でチームリーダーがローテーションで選ばれ、その人が決定権と紙のマップを元にその日の目的地の設定をインストラクターと行い、日が沈むまでにそこにたどり着いて、結果そのリーダーシップの振り返りを行って、ということをやります。一番初日はインストラクターがやるのですがその後は持ち回りで実施します。食事自体は野生にあるものを食べる、というわけではなく食料は事前にパックされたものを持って10日間生き延びることになります。水だけは限界があるので、途中で川の水を浄化したものを飲んだり料理に使用したりします。NASAとかにも似たようなトレーニングを提供しているらしく、そのハードさとガチさはトップクラスです。
旅行に行ってみて
細かい旅程を説明してしまうと面白さも半減してしまうと思うので概要に留めますが、かなりきつかったです。荷物が食料10日分を持つためにだいたい20-25kgのバックを一人当たり持ち運ぶことになり、それを持ったまま山道を一日6-8時間くらい歩きます(例外的な日もありますが)。ある時は山道、がれき、雪道、茂み、川といったところをゴリゴリと進んでいきます。また、地図自体が古くて信用ならないことも多く、実際の景色の様子をみたりコンパスをうまく駆使して現在地を把握しながら時には英語で周りをリードしてゴールに向かうというのはなかなかチャレンジングでした。意外と、みんなからのフィードバックも丁寧で良かったところや改善すべきところなどを一人一人丁寧にくれます。
自分は元々運動をやっていたりハイキングとかで少し準備して参加しましたが、めちゃめちゃきつくて最初の方は割と根性だめしみたいな感じになりました。私以上に全く準備してこずスポーツ経験もない人もいて、そういった人は自分と比べ物にならないほど辛そうだったので、もしこちらの参加を考える際はちゃんと事前の準備をして身体づくりを数カ月かけてすることを強くオススメします。
結果としては、CBSの中でもトップクラスに有意義かつ忘れられない経験になりました。
1. 心のキャパシティを広げる
MBAに来て、就活とかは別かもしれませんが肉体的・心理的に限界を迎えるレベルのアクティビティはなかなかありません。コロンビアのNOLS Expeditionは他の一部の大学モニタプログラムがありますが、コロンビアは自分の知る2024年現在は最長のプログラムなのでその分ハードです。上記にあるようにある意味人間社会から1週間強隔離されて歩き続けサバイブする経験は普通は社会人でも大学生でもそうありません。自分をとにかく追い込むことで、最初の方は常に後悔していましたが、やり切るとそれなりの充実感とやった感がでます。また、なんとなくですが他のことに対してだいぶ寛容になった気がします。理不尽なこと言われても「でもこの人パタゴニアでサバイブしてないしな....」みたいに思うことでほとんどのことはメンタル的に些細なことになります。冗談に聞こえるかもしれませんが意外と本当です。
2. 友達を作る
MBAの生活はともするとネットワークが盛んですが、一方で一部の外国人などと本当に深い関係になるというのは楽ではありません。特にニューヨークだと遊ぶところも人もいっぱいいるので、個人と深く話して価値観を共有するみたいなことをするのはあまり楽ではありません(もちろん、仲良い人はできると思います)。しかし、さすがに10日間辛いことを一緒にやるとかなり双方の仲が深まります。お互いについて話す機会もトリップ中に増えますし、単純に一緒にいる時間が長引くことでより親密になります。NOLSの後でも自分はけっこうこうした友達と飲みに行ったり話す機会も増えました。そうした意味でも、一歩comfort zoneの外に出て友だちを作る良い機会なのかなと思います。
3. 自然に触れる
パタゴニアは自然が非常にきれいな場所です。気候の移り変わりが激しいためか、南半球が夏のタイミングもあってか色々な植生が見られたり、運が良ければラマやキツツキのような動物に遭遇することもあります。自然の真ん中にいることで、単純にいい景色を見るということもありますし、浅い言い方をすると自然に対しての尊敬みたいなのも少しは感じるようになります。カメラは持ち込むことができるので、美しく多様な風景での写真を撮りまくれるというのも一つの魅力かなと思います。
どうでしょうか?過酷な旅でしたが、もし自分の世界を一歩外に広げてみたい人は興味あれば是非チャレンジしてみたらいかがでしょうか?