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【企業講演】Blue United 中村CEO - Learning from the success of Major league Soccer: Innovation, Strategy and Global Impact-

こんにちは、Class of 2025の木下です。今回は、10月28日(月)に行われたBLUE UNITED President and CEO・中村武彦さまによる企業講演についてご紹介します。

 

 「MBAはスポーツビジネスに活きるのか」鋭くも熱い質問も飛び交った今回の講演はJBA(Japan Business Association)CJEB(Center on Japanese Economy and Business)の共催で行われました。中村さまは、国際スポーツビジネスの最前線で活躍されてきた方で、MLS(メジャーリーグサッカー)FCバルセロナの国際事業開発ディレクターとしての経験を持ち、現在は米・ボストン ニューヨークを拠点に”日本と世界をスポーツで繋ぐ”国際事業会社、Blue United Corporationを設立されています。当日は、スポーツビジネスに関心を持つ多くの学生が会場を埋め尽くし、熱気あふれる雰囲気の中で講演が始まりました。

講演では、スポーツビジネスの本質について多くの示唆がありました。

「スポーツビジネスは、”単なる勝敗”や”選手のスター性”に依存しない。スポーツ観戦チケットはただの紙ではなく、その先にある感動や体験を求めているのだ」と語られ、ファン心理をどのようにビジネスに活かしていくかを具体的な事例を交えながら解説いただきました。

特に印象的だったのは、近年飛躍的な発展を見せるMLS(メジャーリーグサッカー)の成功事例です。MLSでは「シングルエンティティ制」という独自の運営方式を採用し、リーグ全体で収益や費用を共有することで、チーム間の競争と協力をバランスよく両立させています。デビッド・ベッカム選手やリオネル・メッシ選手を迎える際に行われた戦略的な契約の話も非常に興味深く、単に高額の年俸を提示するのではなく、スポンサーシップや将来的なビジネス権益も含めた長期的な提案をしたことが功を奏した、とのことでした。

また、Jリーグとの比較も非常に興味深いテーマで、MLSが収益性とリーグ全体の安定を重視する一方で、Jリーグは地域密着型の運営が特徴だということです。ただ、日本独自の文化や市場特性を踏まえた上で、欧米モデルをどのように取り入れていくかがこれからの課題であると指摘されました。中村さまは、日本がこれまでに築いてきた「他国の良い部分を取り入れつつ独自の価値を創造する」という強みをスポーツビジネスでも活かすべきだと語られました。

 

BLUE UNITEDでは、国際的なサッカー大会「Pacific Rim Cup」の運営やeスポーツチームの世界大会での成功といった幅広い取り組みに加え、現在はスポーツビジネスの未来を見据えたプロジェクトを進めており、アジアと北米をつなぐ架け橋となる活動をされています。これらの事業は単なる収益追求ではなく、長期的な価値創造を目指したものだと感じました。

 

講演後には、スポーツビジネスに関心の高い学生たちとのネットワーキングも行われ、活発な議論が交わされました。「スポーツビジネスはまだ発展途上の分野であり、自分たちのスキルを活かして貢献できる可能性が広がっている」という声が多く聞かれ、参加者たちにとって大きな刺激となったようです。

 

このように、現役のトップランナーから直接学べる機会は、コロンビアビジネススクールならではの特権です!