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ヴァイオリニスト・廣津留すみれ様によるご講演/コンサート

こんにちは、Class of 2025の長瀬です。

今回は、アートの街・ニューヨークに位置するコロンビアビジネススクールならではの企画、ヴァイオリニスト・廣津留すみれ様による、アート×ビジネスに関するご講演/コンサートについて、ご紹介します。

 

廣津留様は、大分市出身で、ハーバード大学(学士課程)、ジュリアード音楽院(修士課程)を卒業後、日本を拠点に世界各地で演奏活動を行うヴァイオリニストです。近年は演奏活動にとどまらず、音楽コンサルティング会社の起業や、大学での教職(国際教養大学特任准教授・成蹊大学客員准教授)、本の執筆(『超・独学術』(KADOKAWA)他)、ニュース番組のコメンテーター(テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』金曜レギュラー)など、多岐にわたる活動をされています。

 

今回のイベントは、私たちJapan Business Association(JBA)と、コロンビアビジネススクールの芸術振興クラブ・Art Societyの共催で行われました。テーマは、「起業家、演奏家の視点から語る、音楽業界の最新トレンド」。ビジネススクールでは、ヴァイオリンの演奏家からお話を聞く機会は滅多にないので、多くの学生が興味津々で耳を傾け、終始和やかな雰囲気の中で講演が行われました。

廣津留様がお話された内容の一部を、以下の通りシェアさせていただきます。

 

1.クラシック音楽業界を取り巻く環境が大きく変化している。従来、演奏家の成功にとって重要だった①一流のコンサートホールでの演奏回数、②大手レーベルからのCDリリース有無、③国際的なコンクールでの受賞歴、④著名な音楽学校の卒業や指導教授名等が、唯一の指標でなくなってきた。YouTubeやストリーミングサービスの台頭により、①SNSやメディア出演を通じたセルフブランディング(他ジャンルとのコラボレーション含む)や、②ストーリーテリングを重視した演奏プログラム構成の重要度が増している。

 

2.演奏とその他の活動が相乗効果を生んでいる。メディア出演によって、クラシック音楽に馴染みのない層にもリーチ可能になったほか、教育活動によって音楽を社会的な視点で捉える機会が増え、演奏プログラムのアイデアにも繋がっている。また、音楽活動によって、メディアや教育の場でも自身の専門性を発揮できることが、差別化要素になっている。

 

3.芸術は人間の想像力や共感力を養い、AIでは代替できないスキルを育むので、STEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学を統合した教育)の重要性が、今後ますます高まる。

 

講演の前後にはミニコンサートが行われ、「バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番よりGavotte en Rondeau」、「イザイ 無伴奏ソナタ第3番バラード」をご披露いただき、会場は大きな拍手で包まれました。その後のQAセッションも普段ビジネススクールの授業では聞かないような興味深い質問が飛び交い、大変盛り上がりました。廣津留さん、この度は素敵なご講演&ご演奏を有難うございました!